第1話:マーケティングは「市場」変化を感じるガイド役です。
21世紀になって既に20年以上の時が積み重なりました。世の中にはさまざまな変化が起きています。特にこの2年強のコロナ禍による変化は、経営に新たな思考力を問うきっかけになったと考えられます。過去のやり方や考え方を頑強に守ろうとするだけではなく、現実を直視して、変化適応型の柔軟な経営の仕組みをつくることが問われています。
会社は生き物です。生き物は自分が生きていく環境に合わせて生命を維持し進化します。変化にうまく乗り切れずに進化を止めてしまうと、進化を止めた島の名前にちなんで「ガラパゴス」などとも言われます。自分の周りが変わっているのに、自分は変わらない。それでは時代に取り残された存在になってしまいます。その時々に起きている変化が、いつの間にか社会の当たり前の風景になる時代です。
そのような変化に適応した経営を実践するためのガイドが「マーケティング」の考え方です。
マーケティングは「Marketing」。分解すれば「市場(Market)=交換の場」の「現在進行形(ing)=変化」に、交換の主体者として積極的に関わっていこうとする経営のことです。
市場には息遣いがあります。財や情報を提供し、受けいれて貰おうとする送り手(主に企業)の熱い息吹。多様なモノを取捨選択して自分らしいものを取り込もうとする受け手(お客さま)の熱い想い。その両者の出会う「場」こそが「市場」です。そこには、両者がぶつかり合って、揺れる風が吹いていると見ることが出来るでしょう。時代の息吹です。
今、市場にはどのような風が吹いて動いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、経営の舵取りの道標が浮かんでくるのではないでしょうか。
「心に吹く風:問題意識」は、今の時代の息吹や息遣いを、50年強前に出会い、その後多くのビジネス現場で実践してきた私のマーケティング思考で聴き取ったものです。
読者の皆様と一緒に、今の時代の風の音色を聞き取りたいと思っています。
Management Partner Staff
清野 裕司