旬刊独白-2

第2話:「市場:Market」の意味を知ることから始めよう。

 マーケティングは、市場(Market)の現在進行している(ing)変化状況を読み、その動きを自分自身の経営の姿勢や行動に取り込むことを基本の思想としています。ところで、ここで言う「市場」とは何を指しているのでしょうか。その意味を知ることが、マーケティングを理解するスタートにもなります。音としては、「いちば」と「しじょう」の二つがあります。

 先ずは「いちば」。まさに「場」のこと。モノや人が、そして情報や金が出逢い交換される「場所」であり「装置」のことです。その昔、10日毎や20日毎に開催された交換の場所は、今も地名に残る十日市や廿日市です。また、装置としては、現在のインターネット環境の申し子のような「楽天市場(いちば)」をご存知でしょう。

 さらに「しじょう」という場合はどうでしょうか。高齢者市場、女性市場という言い方や自動車市場、パソコン市場といった言い方があります。つまり、交換対象者であり、交換対象物を指すときにも「市場(しじょう)」という言葉が使われます。交換された結果(需要の規模)を示すこともあります。「○○市場は100億円」といった表現です。

 こうして見てみると「市場(Market)」という言葉も、「交換の場や装置/交換の対象/交換の結果」の意味をもったものであることがわかるのではないでしょうか。マーケティング思考では、これらの要素の変化をどのように読み解いたらいいのかが問われるのです。

 従来は手売りが当たり前だった飲み物を、今は自動販売機という装置でも購入できます。まだ行ったこともない国の名産を、インターネットという仕組みを使って購入できます。かつて若者市場にいた人も、年とともに高齢者市場に組み込まれます。モノの持つ意味も変わると、交換の結果の需要量も変化します。まさに変化は各「市場」現場で起きるのです。

 その変化の中に身を置きながら、常に今の「市場」状況を考えること。自らも変化し続けなければ、市場の今を読むことは出来ないのです。まさに、今を生き続けることが「マーケティングすること」でもあるのです。

清野 裕司
株式会社マップス
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一刻一歩に最善を尽くそうと今もする。変わる鋭さと変わらぬ頑固さがある。

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