ビジネス徒然草-3

日々のビジネスの徒然に・・・自分自身の昔を振り返って・・・。

幼い頃から本屋に行くのが好きだった。たくさんの本が並ぶ中で、自分の興味分野の本が並ぶ書棚の前で、その背表紙を見ながら幾つかの本を手許に引き寄せて少し読んではまた書棚に戻す。あまり長く読み続けていると、店主から小言を言われた時代である。昭和を回顧すれば「貸本屋」という店があった。頻繁に本を買って貰える家庭ではなかったので、読もうと思った本は「貸本」で借りるか、学校の図書室の本を借りるのが当たり前であった。
ただ、年に数回だけですが、おもちゃを買って貰った記憶がない父親と一緒に本屋に行くと、「好きな本を1冊だけ買ってやるぞ」と言われ、胸弾ませて本選びをしたものである。
母に連れられて兄と共に他人の家に行った折にも、愛想よく話をするのが苦手だった私は、大人と会話をしている兄を見ながら、その横で黙って本を読んでいる子どもだった。
あまり子どもらしくない子と言われた記憶がある。

長じて中学校に通うようになってからも、本を読むのが好きだった。自宅から離れた私立中学校に通っていたので、朝は(当時の国鉄)中央線での通学でした。約30分は大人の勤め人と一緒の電車に乗る。どうにか隙間を見つけて左手で吊革につかまり、右手で文庫本を開く。教科書類は肩から掛けた袈裟懸けの帆布の鞄に入れていた。

駅間の移動時間が読書時間。空間の制約もあり、基本的に文庫本をもっていたように記憶している。古典と言われる小説も読んでいた。読めない漢字にも多く出逢う時。ただ、たとえその漢字自体は読めなくとも、前後の脈絡から何となく意味を解釈できたように記憶している。

その後、大学生の折にマーケティング概念に出逢う機会を得て、ビジネスの世界でマーケティング実践を学ぼうと心した。公式に当てはめて一つの解を求めるのではなく、多様な現象や事実を自分なりに解釈して、多様な未来図を描いていくマーケティング思考に興味を持ったからである。そのためには、まさに多様な下地となる知識がなければ、どうしても狭小的な発想しか出来なくなってしまうことを知った。                       

 

        Management Partner Staff
               清野裕司

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一刻一歩に最善を尽くそうと今もする。変わる鋭さと変わらぬ頑固さがある。

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