ビジネス徒然草-4

日々のビジネスの徒然に・・・自分自身が歩み来た道を振り返って・・・。

マーケティングが日本の産業界に紹介されたのは1955年と言われている。既に70年近い時が流れ、日本経済の変遷と共にマーケティング自体も変化・進化の道を辿ってきた。今も、人によってさまざまなマーケティングの解釈がされるのも、それだけ時代環境変化に敏感に反応しつつ発展をして来たからともいえよう。販売支援型のマーケティング、流通形態対応型、広告優位型・・・。その一つひとつに、今までの日本経済の歩みそのものにも似た動きをみることが出来る。

60年代から70年代のマーケティングは、「つくる」ことに主眼を置いたものだった。モノ不足の時代に始まり、モノをいかに大量につくり、大量に届けるかと、企業の経営もモノ主導型発想に主眼が置かれた。効率的なモノづくりをリードして、販売を円滑にする手段として、マーケティングは拡大成長のガイド役を果たしたものである。

80年代のマーケティングは、「伝える」ことに主眼が置かれていた。多くのモノやサービスが、高い品質を維持してつくられる環境で、自らの差別性をいかに理解してもらうか。広告のコピー1行を書くのに何千万円といったコピーライターが、社会的にも認知され注目されていた頃である。

時流れて90年代以降、特に21世紀に入ってから、マーケティングは一段と企業経営の根幹的な位置づけで語られるようになっている。一方的に企業サイドの論理だけではなく、顧客の真の想いを辿りながら、必要とされるものを一緒に「生み出し」無駄のない経済活動を進めようとする考え方である。
「顧客主導」の発想。「つくる-つかう」「伝える-聞く」の対極的な考えではなく、「共に生み出す」考え方といえる。

マーケティングの今日のテーマは、自らの相手を今まで以上に思いやる幅広いものへと拡張し、過去を分析することに止まらず、未来を語る役割までが求められていることを忘れてはならない。

Management Partner Staff
清野裕司

投稿者:

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一刻一歩に最善を尽くそうと今もする。変わる鋭さと変わらぬ頑固さがある。

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