第9話:購買を促す「さいじ」を考えてみよう。
消費行動のきっかけは、日常の生活において「備える」ことが原点にあるといわれます。「寒くなってきたから防寒用品を揃えよう・・・」「そろそろ春物を準備しよう・・・」といった感覚です。”備えあれば憂いなし”の生活心理が働くということでしょう。
備えるきっかけは、生活の節目への対応とも読み替えられます。大きくは次にあげる3つがあると考えられます。
ひとつには、人生です。「そろそろ社会人だから・・・」「こどもも大きくなってきたから・・・」等々、あげればさまざまな人生のステージが想起できるでしょう。しかし、最近はどうもこの感覚が薄れてきているようにも思われます。別に次のステージに備えなくても、今が良ければそれで良しの感覚が広がっているようです。
今ひとつは、季節。「歳時」といえるものです。節句があるように、まさに節目に対応した感覚での消費行動喚起です。しかし、これもどうやら薄まっているようです。正月と言われても、これといった感覚が湧き上がってこなくなって久しいような気がします。
であれば、今ひとつの節目が必要になります。それが、祭り「祭事」です。祭事は変わらない日常からひと時離れて、いつもとは異なる自分や生活感覚を獲得する場でもあります。歳時と相まって季節感を醸し出していました。夏祭りや秋祭りに胸躍らせた記憶もあるのではないでしょうか。
今これに変わるものが「催事」と捉えられます。日常を離れた楽しみや喜びを提供する場としてあるもの。それこそが、思わず我を忘れてまで喚起される購買への動機になるのではないかと考えられます。
「歳時」「祭事」にプラスした「催事」。消費を促すきっかけが、毎度同じような仕掛けでは、人はあきてしまいます。驚きや感動を与えることのできる催事を考えることも、今の消費を促進するきっかけになるものです。
清野 裕司
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