旬刊独白-21

「こなす」ことよりも「取り組むこと」が求められています。

どのような分野にも当てはまることですが、仕事には「こなす」ものと「取り組む」ものがあります。慣れ親しんだ仕事は、どうしても日々目の前に登場してくることを、素早く手際よく「こなそう」とする意識が働きます。「今日中に目の前にある300枚の伝票を処理しなければ」、「午前中に書類のコピーを100セット準備しなければ」・・・・といった仕事です。そこには、効率を求める意識が働いています。今まで正しいといわれてきたやり方を壊すことなく坦々と「こなす」ことが良い仕事であると評価されます。しかし、「そのやり方が正しい」ということが前提です。
最近は、それだけでは済まなくなってきています。こなす力が高まったからといって、それ程の評価は得られなくなった場面があります。昨日まで正しいと思っていたやり方が、今日からは違うことがあります。今日の経営環境にあっては、新たな方法やものの見方が求められているのです。従来型の発想だけでは、成果が期待できないことも多くなってきました。そこで必要になるのが「取り組む」姿勢です。
マニュアルがあるわけではなく、先人が教えてくれるものでもなく、自分自身が生み出すことを考えていかなければなりません。「こなす」ことは過去の結果を導き出すことが多くなります。それよりも、難問・奇問に「取り組む」姿勢が求められるのです。
どのような職業にあっても、「こなす」術を高めても、なかなか顧客満足には繋がらないようです。何よりも顧客の抱える課題に、一緒になって「取り組む」姿勢を忘れてはならない、と私は考えています。

清野 裕司
株式会社マップス

投稿者:

maps-staff

一刻一歩に最善を尽くそうと今もする。変わる鋭さと変わらぬ頑固さがある。

PAGE TOP