旬刊独白-33

「勝ち負け」「貸し借り」のバランス感覚が大切です。

今も見かけることがありますが、かつて「勝ち組/負け組」に代表される二者択一的な判断基準が横行していたことがあります。どちらを選ぶかと言われれば、多くは「負」の状況よりも「勝」の状況を選択したくなるのも人情ではないでしょうか。しかし、一方の極があればその対極が必ずあるもの。両者のバランスによって人生は創り出されています。一方の極にのみ身を置いていると、どうしても思考の回路や、何よりも暮らしの姿勢自身が偏ったものになってしまいます。偏見、偏狭、偏食、偏屈・・・ほめられた言葉は並びません。
ビジネスの世界も、経済的な対価のやり取りに限らず、業務上の貸し借りは常に存在するものです。なぜ自分だけがこんな思いをしなければならないのか、と苦渋に満ちた顔で現在の仕事を語る人がいます。しかし、終生そのような状況が続くわけではないのです。その仕事は多くの人に貸しを作っているはず。いつか利息がついて返ってくることがあります。ただ、その返済に気づかぬままでいることに注意しなければなりません。そうすると自分は貸しばかり作っていると思い込んでしまうからです。
借りを作るよりも貸しを作った方が、将来が楽しみだと私は思っています。借りると返さなくてはなりません。それよりも、今の仕事がいつか廻って戻ってくることを楽しみにしていたいもの。マーケティングは、顧客への一方的な貸付ではありません。顧客から「ありがとう」の言葉が返ってくる、貸し借りのバランス行動なのです。
まさに「情けは人の為ならず」を知ることです。

Management Partner Staff
清野裕司

 

 

 

投稿者:

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一刻一歩に最善を尽くそうと今もする。変わる鋭さと変わらぬ頑固さがある。

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