旬刊独白-34

"Excuse me”の心で相手を思い遣ることがMarketing心です。

朝夕の通勤時には、否が応でも人とぶつかってしまいます。流れに乗って歩いていても、つい肩が触れ合うことがあります。そのときの状況のなせることなので、当事者相互は無言のままに目的方面へと向かっていきます。でも、なかには意識的に前に進み行こうとする人がいるもの。「自分の目的地はこの先にある。何とか前の壁をタックルで壊して、少しでも前に行かねば・・・」との想いが働くのでしょうか、猛烈な圧力を人の背中にかけてきます。だが、ひとつの壁を破っても、その先にまた壁がある。再アタックです。それ程急ぐ様子を見ると、今日は何よりも大切なミーティングの約束でもあるのだろうか、と思ってしまいます。

人は自分ひとりで生きているわけではありません。多くの人との関係があってはじめて、人間の生活が成り立つもの。だからこそ、人の間に存在する「人間」なのです。自分の目的を達成するために、周りの様子を見なくても構わないという考えは成り立ちません。
自分が何がしかの行為をすることで、他者に迷惑がかかってしまう時には、時に一歩控えめな対応が必要なことがあります。謝るというより、許容して貰うことです。マーケティングでも「パーミッション(許認可)」がキーワードとして語られています。出来上がったものをただ提示して、販売完了にするのではなく、次の段階に進むたび毎に許可を得るスタイルです。

英語では“Excuse me”ですが、日本語には多様な言い回しがあります。「すみません」「ちょっと失礼」「ご無礼致します」「ごめんなさい」。表現よりもその心。この国にあった“Excuse me”の精神は、いつから薄くなってしまったのでしょうか。

      Management Partner Staff
              清野裕司

投稿者:

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一刻一歩に最善を尽くそうと今もする。変わる鋭さと変わらぬ頑固さがある。

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