ビジネス徒然草-32

「慮る」心を持ち続けてMy Businessを終えたい。

30歳代の半ばにオフィスを立ち上げ、固定的な自分のワークスペースを確保しながら、いかにして継続的な仕事が得られるのかを考え続けてきた。

以来40年の時を刻み、今や70歳代の半ば。多くの時を刻んできたものと改めて感慨にふけることもある。1年前に、固定的な自分の城ともいうべきオフィスを出ざるを得なくなってしまった。外的な環境のせいにするのはいかにも逃げ口上に思えて、今まで口外することを控えてきた。しかし、延べ3年にわたるコロナの経済活動に対して与えたインパクトは並みのものではなかった。

ちょうど自分自身のBusiness Lifeの幕を下ろす頃とタイミングが一緒になってしまったが、私のビジネスは、直接目の前に対象者がいることを前提にしたビジネスモデルである。その基本が出来なくなってしまったのだから、閉幕もやむなしかと言い聞かせながら、今までとは全く異なる「コワーキングスペース」の利用会員となって、現在はゆるりとした気分で仕事をしている。

専門性を持ったビジネススタッフを集団化しようと開設した株式会社マップス。明快な形にはならなかったものの決算40期での閉鎖。長きにわたる時間を過ごしてきた。今もなお、マーケティング・ビジネスの世界に身を置くことができていることを幸せに思いつつ、自分の周りのスタッフの言動を見ている。

そこには時代の変化だけではない、「自己中心社会」に生まれ育ったかと思わせる輩に日々出会っている。周りを見ることをしない。他者に対する当然の態度なのか、挨拶らしき姿勢が見られない。会話の声が大きくノイズになる。PC越しの会議の折も同様である。周りに思考している人がいようがお構いなしである。
このような社会環境は、いつから形成され始めたのであろうか。少なくとも、自分自身が育ってきた昭和のビジネスモデルでは、常に周りを意識した「自分」がいたように思える。おどおどと自らを引いてしまうようなことではなく、あくまでも自分を中心にする考えには違いはない。しかしそこに、自分を取り巻く周りがいた。いや、あった。

どうも今の時代のビジネススタイルに周りを思い遣る心が乏しいように感じてしまう。「慮る」という漢字自体を読むことができるのだろうか。いま、私の近くで大声を出しいるあなたには。

Management Partner Staff
清野 裕司

 

投稿者:

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一刻一歩に最善を尽くそうと今もする。変わる鋭さと変わらぬ頑固さがある。

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