「かえる」心をもって「かわる」ことを志すことが次を創る。
長く生を受けていると、ひと時昔を思い起すことがある。かつての自分は、なぜ今出来ていることが出来ずに悩んでいたのだろうかと、不思議に思うこともある。人はすべてのことが出来るのではなく、人それぞれに似合った能力を発揮するものだと思い知る時である。そして、本来自分はもっと違うことも出来る(出来た)のではないかとも思ってしまうことがある。そう思いながら、自分自身を省みることがあるのではないか。人間の眼は、前を見るように出来ている。しかし、後を見ることも時には必要ではないかと考えている。前だけではなく後を見る。まさに「かえる」ことの必要性である。
ただ、一言で「かえる」といってもさまざまあるもの。意味の違いが漢字にも現れる。
1.ピンチをチャンスに「変える」:
→ネガティブ思考をポジティブ思考に変えること。
2.素材・部品を「代える」:
→今あることの代用品で済むのなら、無駄の排除になるかもしれない。
3.視点と立場を「換える」:
→相手の立場になって考える時間も必要である。
4.組み合わせを「替える」:
→メンバーを替えると思考の回路も変わる可能性がある。
5.手順・方法を「改える」:
→目標に向かって進む方法も様々あることを忘れていないか。
6.初心に「返える」:
→慣れてくると、自分の過ちが見えなくなってしまうことがある。
7.最初に「還える」:
→今やっているやり方を見直すためにも最初に戻ってみる。
8.すべて原点に「帰る」:
→何に対しても不思議だと思う子どもの感性が薄れていないか。
時代の変わり目には、その変化を見る眼を鋭敏にしておかなければ、いつの間にか時代遅れ、時代錯誤の偏ったモノの見方に陥ってしまう。たまには、呪文のように「かえる」コールを自問してみるのもよいものである。
Management Partner Staff
清野裕司