旬刊独白‐58

「Skill-Sense-Style」のバランスを身に付けているか。

学びの場として、社会人対象の大学院が注目されている。夜間に就業後、自らのキャリア・アップを図るべく、新しい知見を求めて学習の場へと参加する。今までに知らなかったこと、知っていたが忘れてしまったこと。かつては拒絶反応を示していた分野も、時を超えて改めて接すると、従来にはない鮮度感覚で吸収できることもあるものである。まさに、学生時代には何事かを「習う」姿勢でしかなかった者が、自らの発見に繋がる「学ぶ」ことの楽しさを、社会人になって実感する時ではないかと推測する。

何よりも、新たな分野での自らの発見があるのは、自分自身の考え方やものの見方を広いものにする。楽しさも広がるもの。「習う」のは、比較的あることに対する方法論の修得に止まってしまい、Skill(技法・技能)を身に付けることに終始してしまうもの。Skillは一度やり方を理解すれば、後は繰り返しての訓練によって深まる可能性があるが、ビジネスはそれだけに止まるものではない。

必要なことは、モノを見る眼・考える視点の広がりにある。専門性はベースにはなるが、狭い領域に閉じこもったのでは発見が乏しくなってしまう。Skillを超えたSense(感覚・認識)の深まりが求められよう。さまざまなモノや人との出逢いがSense向上の糸口になる。視野を広めるとは昔から言われたことでもある。

更には、SkillやSenseを基軸として、自分なりのビジネスStyle(様式・型)をつくりだすことが出来るかどうかが必要である。何となく雰囲気を感じさせるビジネス個性とも言えるのではないか。その人らしさを感じさせるものが、身に付くかどうかということである。

従来のビジネス分野での学習・研修の場は、どちらかと言えばSkill獲得を目的としたものが主流を占めていた。しかし今、マーケティング・スタッフに求められているのは、画一的・定式的な方法論を知っていることではなく、知識を超えた見識である。

だからこそ、Skill-Sense-Styleの3Sバランスが必須になることを忘れてはならない。

Management Partner Staff
清野裕司

投稿者:

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一刻一歩に最善を尽くそうと今もする。変わる鋭さと変わらぬ頑固さがある。

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