「こうかん」の考えも拡張し重層化するようだ。
21世紀になって既に多くの時が積み重なり、コロナウィルスの影響も重なって世の中にはさまざまな変化が起きている。変化する状況に合わせて生きていくために、新たな思考力が求められている。過去のやり方や考え方を頑強に守ろうとするだけではなく、現実を直視して、変化適応型の柔軟な経営の仕組みをつくることである。
会社は生き物。生き物は自分が生きていく環境に合わせて生命を維持し進化する。変化にうまく乗り切れずに進化を止めてしまうと、進化を止めた島の名前を使った「ガラパゴス」である。自分の周りが変わっているのに、自分は変わらない。それでは時代に取り残された存在になってしまう。その時々に起きている変化が、いつの間にか社会の当たり前の風景になる時代と心得なければならない。
そのような変化に適応した経営を実践するためのガイドが「マーケティング」の考え方である。マーケティングは「Marketing」。分解すれば「市場(Market)=交換の場」の「現在進形(ing)=変化」に、交換の主体者として積極的に関わっていこうとする経営のことになる。
市場には息遣いがある。財や情報を提供し、受け容れて貰おうとする送り手(主に企業)の熱い息吹。多様なモノを取捨選択して自分らしいものを取り込もうとする受け手(お客さま)の熱い想い。その両者の出会う「場」こそが「市場」である。
その市場での交換のスタイルも変化してきている。動画も含めて、ビジュアル情報のやり取りが出来るメディアを使う風景が当たり前になり、自分の気持ちを伝える際に、自分の顔を見せれば、ある程度のことは読み取ってもらえることがある。「目は口ほどに物を言う」で、その瞬間の自分の気分は顔に出るもの。であるならば、感情のやり取りには画像の方がリアリティがある。「情報交換」の時代ではなく、「情動交感」の時代と見ることが出来よう。
モノのやり取りは「交換」。いまは、情報やサービスのやりとりと共に、感情もやり取りする「交感」。
そして、お互いの歓びを共有する「交歓」も重要になってきている。
Management Partner Staff
清野 裕司