旬刊独白:今の時代は何色の風が漂っているのでしょうか。

旧来よりわが国には、移り行く四季を肌に感じ、暮らしの中に季節の様子を取り込んでいく、生活感性に深く溶け込んだ「四季」があったように思う。
四季の様子は色にも例えられ「青春・朱夏・白秋・玄冬」とる言われる。

「青・赤・白・玄(黒)」の各色は、巡り行く1年の中の変化だけではなく、大きな時代変化の時にも、その時代の雰囲気として使われた色分けでもあったかと思われる。1945年以降の、いわゆる戦後社会から今までに歌い継がれた歌の歌詞にも、その様子が見て取れる。

映画にもなった「青い山脈」やヒット曲として紹介される「リンゴの唄」の歌詞にも見られる(♪赤いリンゴにくちびるよせて だまって見ている青い空)が、戦後すぐの時期には「青」が頻出してくる。青い空は、戦争が終わった平和な社会の象徴であったような気がしている。

その後、1964年の東京オリンピックを経て経済成長の波に乗って、何となく社会には「熱」を感じさせるものが蔓延して「赤」が中核を占めていたようだ。美空ひばりの歌った「真っ赤な太陽」や松田聖子の「赤いスイートピー」。社会全体が、力を蓄えて前に進むことを意識していたように感じる。

1995年のバブル経済崩壊後は、一方的に力づくでも上昇気流に乗るというよりも、少しゆっくりと時を刻む「白」が取り上げられたり、その白を代表した「雪」が登場する印象が強かったように感じる。

そして今の時代。特に2020年以降は新型コロナウィルスの影響が至る所で見られるようになり、社会経済活動の停滞をきたした。働くスタイルが問い直され、1ヶ月の仕事が止まって経営が至らなくなる経済基盤の脆弱性が問われる時代になってきた。

このようにみてくると、時代変遷も「青→赤→白→玄(黒)」と移り変わるのだろうか。順送りから見れば、今の時代は「黒」。果たして、われわれが知恵を出し合って描く次の社会、Postコロナ時代には何色の風が漂うのだろうか。

Management Partner Staff
清野裕司

投稿者:

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一刻一歩に最善を尽くそうと今もする。変わる鋭さと変わらぬ頑固さがある。

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