ビジネススタッフが持つべき機能やスタイルを再考してみた。
多くのビジネス第一線で活躍するスタッフと会話をして、各人の問題意識を聞くにつけ、ビジネススタッフはどうあらねばならないかが見えてくる。幾つか気付いたことを整理してみた。
1.スタッフとは、自らがどのように見られているかをいつも気にするアクターである。
多くの初対面の方々は、そのスタッフが発進する情報の斬新さや深みを見聞きして、その知識,見識を測っている。単に発信される言葉だけではなく、仕草も勿論見られ、そこに漂うスタッフの教養が見透かされている。ある時は「育ち」「家庭環境」「世間的動きへの感応度」などまでが見破られていると知らなければならない。それだけ緊張感を要するのがスタッフの立場である。
2.スタッフは、過去の累積をベースに未来を描く仮説設計力をもつ。
蓄積された多くの資料、人的ネットワークのリスト、書籍があっても、それらは、過去の活動事実の累々とした積み重ねである。過去をいくら振り返っても、そこに未来が突然のように現出するわけではない。過去の流れの思考回路を、未来を描く基準点にすることこそが、スタッフに求められている視点である。データベースは整理することに意味があるのではない。次代へのフレームワークであり、その器に今後何を入れていくのかを考えることである。
3.スタッフは、「作業」の請負人ではない。「仕事」のコーチ役である。
決められたことを実施する作業ほど楽なことはない。時間が解決するからである。しかし「作業」はあくまでも作業であり、その対価の基準は時価であり人力価に過ぎない。スタッフの対価は本来、知価で測られるものある。そのためにも日常的な学習による知恵と知識の向上は、スタッフを業とするものの当然の行動である。ただ最近の流行り言葉や店,商品を知っていると言うのではなく、その裏側に隠される時代の趨勢を自分なりに読み解いた知見が求められる。
4.スタッフは、変化に積極的に関与する革新の実行者である。
昨日までに決められたルールに則って作業を進める・・・それはビジネス・スタッフの日常に良く見られること。スタッフのビジネスは、明日に向けた作業の道を組み立てて指し示すこと。新しい動きが常に求められる。新しい人との出会いは、自らの変革を確認する反射鏡にもなる。自分がどのように対応しているのかを見直す機会になるからである。人との出会いによって、自らの行動や環境を変革し得たかの見直しをすることは、スタッフがその影響波及力を測ることでもある。どれ程の関わりを持ち得たか,どれ程の興味を持たせ得たか・・・それは、自分自身の行動の結果の現れである。
Management Partner Staff
清野 裕司