温故知新15

この書が上梓されてより、ほぼ25年の時が流れた。その間に、多くの「ブランド」関連書が刊行されている。
研究成果として、事例紹介として…多種多様。それだけ学びの素材は多く提供されている。
「ブランド論」は、まさに古くて新しいマーケティングのテーマである。

15.ブランド・マーケティング

Management Partner Staff 清野裕司

ビジネス徒然草37

ビジネス対応は、一人ひとりの「意・志・気」により変化する。

何かを成し遂げようとした時、人は不安に駆られることがある。今のままで良いのか、他にもっと良いやり方があるのではないか。確認する術を持たず、今までに自分が知り得たことを基本に、もう一度筋道立てて、自分のやろうとしていることを説明しようとする。
そこに働く力としては、ある時は累積された個人的な知識がものを言うこともある。
しかし一方で、知識だけでは解決できないことがある。知識を活かすのは、本人の「意」であり「志」、そして「気」である。

「意」の一言

蓄積してきた知識だけでは、今起きている現象を説明することが出来ず、あの時に、もっと学んでおけば良かったと反省することもある。後の祭りである。そのような時に大いに発揮されるのが、本人の意識である。過去は問題ではない。今起きている現実にどのように対処しようとするのかの、自分自身の意欲や対応の姿勢を問われているのだと、はっと気づく。すると、それまでに思いもつかなかった方法が浮かんでくることがある。誰かに習った方法ではない。自分自身が編み出した道筋である。

理屈だけでは解決できないことが多く登場してくるのが、ビジネスの現場である。このような施策を展開すれば、顧客は間違いなく動いてくれるはずだと思うのだが、その通りの結果が生まれてこない。予期せぬことだらけである。そのような時には、過去に学んだことの、何とも脆弱なことかを思い知らされる。

単なる表層的な「知っている事実」よりも、心底思い込んだ「まだ見ぬ未来」を実現しようとする意識が、どれ程の力になるかを知るときである。マーケティングが、「学」として存在するのではなく「論」として存在するのも、そこに意味がある。体系的な枠組みを知ることだけが学問ではない。自分自身が実行する「未来への道案内」である。「意のあるところ道は拓ける」そして、「知はその道を飾る」と解釈したい。 

「志」の一考

ビジネスでは、一人ひとりそれぞれの心の中にあるものに大いに期待したい。未来に向けて描いているであろう自分自身の姿である。いつも、自らの心が、どちらの方向を向いているのかを確認したい。

心が指す。まさに「こころざし=志」である。何となく茫洋とした意志かもしれない。若者の間では「自分探し」という言葉も聞く。自分が何に向いているのか分からないので、固有の職を持つことなく、自分の可能性を探すと言う。しかし、考えをいくら巡らせたところで、自分自身の実体が浮かんでくるとは思えない。先ずはやってみることではないのか。

好きなことを一生続けられると幸せ、との言も聞く。しかし、志は決して好きなことばかりを迎え入れてはくれない。嫌なこともある。意に沿わないこともある。ただ、嫌だと思ったことも、次なる自分を生み出す術と心得た時に、嫌なことではなくなる。自分の心と会話をしたかどうかが問われる。

「心こそ、心惑わす心なれ。心に心、心許すな」と昔から言われる。心が指し示す方向を持った自分との出会い。心してその時を大切にしたい。

 「気」の一文

ビジネス環境では、気遣いも多いことだろう。気疲れから、気温には関係なく風邪をひくケースもある。ただ、ビジネスは人と人との関係によって成り立つ。それだけに気配りも必要である。どのような人に対しても、自らの気概を見せながら気後れせずに立ち向かって欲しい。余り気負うと運気が落ち気味の時には気落ちしてしまうことになる。

気兼ねをしなければならない場もある。気軽に話し掛けてくれる人もいるだろう。気障(きざ)な人もいる。ただ、ものは考えよう。気持ちをしっかりさせていれば、気合が入るもの。たまには気晴らしに気の会う仲間との酒席も良い。和気あいあいとした中で気勢をあげることだろう。そのときの空気を読み込みながら、気宇壮大な未来を描いて欲しい。酒気を帯びていても気品ある態度は、気分を盛り上げるものだ。

「気」は人の精神が外に出る様子をいう。景気の良い話が聞こえてこないビジネス環境ではあるが、元気な振る舞いは、気骨を感じさせるものだ。根気よく意気を感じさせる日々を送りたい。若気の至りと言えぬ歳を重ねた今、改めて「気」を高めて気づきの一文。

Management Partner Staff
清野 裕司

風の書庫⑥

ワークショップは新しい知恵を生み出す「工房」である。

ビジネスの現場でよく耳にする「ワークショップ」。それは知恵を多くの人と一緒に考え生み出す「場」である。私は「次代への創知」と呼んでいる。

しかし、ただ集まって会話をするだけでは、単なる「雑談会」に過ぎない。
目標を定め、手順を踏んでのディスカッションが求められる。

そのための議論手順の例を示しておく。活用できるようであれば幸いです。

PDF:ワークショップ標準企画

PPT:ワークショップ標準企画

Management Partner Staff 清野裕司

ビジネス徒然草36

「やさしく」伝えること。それが「むずかしい」。

私の大好きな小説家(劇作家・放送作家)の一人である井上ひさし氏が遺した言葉は数多くあるが、なかでも日常の仕事を通じて、われわれマーケティング・ビジネスに携わる者が心しなければならないのが、次の言葉だと思う。
 PDF:井上ひさし氏の言葉
その文脈から、まさに「むずかしいことをやさしく」伝え、かつ諭してくれていると思っている。そのような思考の中、他人に何かを伝えて記憶して貰う場合、3つにまとめて発信すると強く情報が刷り込まれていくように感じる。

旧来よりビジネスの世界でも「現場・現物・現実の3ゲン主義」とか「報連相」の重要性、生活家電「3種の神器」「昭和40年頃の3C:Car/Cooler/ColorTV」と3でまとめられたものが多くある。私も講義・講演の際、記憶にとどめて貰おうと3つにまとめて伝えることがある。

「マーケティングは「視点・視野・視座」の3つの眼が不可欠である」「市場には「交流・交換・交感」の3つの交わりがある」「変化を見る眼には「解析・解釈・解説」が必要である」「人の人生には「生命・運命・使命」の3つの命が働いている」・・・等々。御三家・三羽がらす・日本三景・三筆/三蹟と、日常生活の中にも多く「3」は登場してくる。そう言えば東京タワーの高さは333mであった。

かといって、何でも「3」にまとめることがやさしい伝え方に通じるわけでもない。この2年強、よく耳にする「三密」。さて、その「密」は何であったか、ふと思い出せないこともある(密閉・密集・密接だが)。

大切なことは、繰り返し、かつ表現を変えるなど、やり方も多岐に考える必要があると思っている。

Management Partner Staff
清野裕司

 

瞬刊独白60

企業の未来には、ふたつの「はっしん」力が問われる。

日本における企業成立の時期に関する論は、さまざまある。住友家を代表に室町時代の商家の成立にその源流を見ることもあり、また、明治維新時の官業・民業の成り立ちを原点とすることもあるようだ。その後の時の流れの中で今、戦後の経済復興期以来続いてきた多くの日本企業のモデルが、新型コロナウィルスの影響をきっかけとして、社会・経済環境の変革が著しく、基本的な機能不全を起こし、新たな企業のあり方が問われている。

企業は何を目指すのか。どこに向かうのか。その方向が定まらぬままでは、企業自体の存在は不安定になってしまう。また、本来の夢が無いままでは、組織としての活力の動機付けも希薄になってしまう。自らの存在を問い直し、将来の組織の理想を思い浮かべるのは、何もトップだけの仕事ではない。組織構成員一人ひとりの描く未来そのものを、考え描く時代でもある。

一般的に企業の戦略は、外部環境変化に適応すべく、自らの資源の最適配分行動と理解されている。しかし、従来から言われる戦略構造化の論理は得てして、環境変化の読み込みと自社資源の分析に主眼が置かれてきたきらいがある。新時代の戦略デザインには、まず夢想した未来像(ビジョン)への行動計画を描くことが第一であろう。

今、企業に求められるのは、まさに今世紀ビジョンの構想であり、具体的な表現である。将来方向を示唆したビジョンは、経営の意志表明であり、市場との対話の基点となる発言と捉えることができる。しかも、ただ語っただけでは何の変化も始まらない。発信すると共に、動き始めること、「発進」する力が必要になる。

この問いかけは、企業経営に限ることではない。わが国自体に投げかけられていると思っている。自分の在るこの国も、未来に向けた「発信と発進」の力が今、求められているのではないだろうか。

Management Partner Staff
清野裕司

分野を観る⑩

未来を俯瞰して夢想するには、現在の様々な分野の動きを見ておくことが必要になる。ただ、起きている変化に注目するだけではなく、なぜそのようなことが起きているのかを考える。
そのような姿勢で、今回は「コンビニエンスストア」の今を、松島良太(matsushima@mapscom.co.jp)が整理しました。
皆様の日常に起きている変化を見極める癖をつけることに繋がります。

コンビニエンスストア市場を観る

温故知新13

最近のTV広告のつまらなさには辟易としている。夢もロマンも感じない。
してみれば、より顧客関係の現場に近いところでの情報発信を心掛けるコミュニケーションの重要性を改めて知ることになる。

13.広告革命

Management Partner Staff 清野裕司

旬刊独白59

コクーン(cocoon:まゆ)の思考では未来は描けない。

この数年、自分自身の気分もそうなのだが、社会的に何とは無しの淀んだ空気がある。コロナウィルスやウクライナの問題に限らず、毎日見聞きするニュースに、明るく気分を高めてくれるものが少ないからだろうか。国際的な事件や社会制度上の問題に限らず、身近でも驚きを感じさせる事件が起きている。TVやネットで見るに堪えず、聞くに堪えない話題に多く接する。

こうした社会環境の中で、それでも更に新しいビジネスチャンスを発見しようと心掛けるのがマーケティング・スタッフのもつ宿命的役割である。時代の風に流されると、どうしても暗い話が中心になり、そして、他者のことではなく自分たちのことだけを考える罠に陥ってしまう。

一つの商品がヒットをして、多くの生活者に受容されると、一気呵成に同質の商品が溢れかえってくるのも、その現われかと思うことがある。健康を意識する生活が当たり前になり、自分のことは自分で護る、といった意識の高揚があると、健康の細分化が始まる。「中性脂肪」対応、「血糖値」対応、「疲労回復」対応・・・まさに百花繚乱。受け手である生活者側も、情報や商品機能を峻別するのが大変。何を、誰を信じればよいのかがはっきりしなくなってしまう。TVから流れる情報も、新聞や雑誌を読んでも、ネットで検索してみても、どれもこれも身体に良さそうで迷い道にはまってしまう。

相手の立場に立って考えれば、リアルな情報の提供こそが重要であることはわかっているのだが、その状況をどのように伝達するかを熟慮しなければならない。しかし、いま流行っているものにそのまま乗ってしまう動きが急になり、“業界こぞって”といった動きの中に身を置いていた方が、安全で安心の気分になるのだろうか。

ある世界に入り込んでしまうことの怖さがある。その世界から自分の身を出そうとしなくなってしまうからである。さながら、繭(まゆ:cocoon/コクーン)のように、身を護ることに意識が働く。マーケティング・スタッフがコクーンになってしまっては、暗い部屋に閉じこもった引きこもりになってしまう。マーケティングは、殻を破って未来を描く思考をガイドしているのを忘れずにいてほしい。

Management Partner Staff
清野 裕司

温故知新12

21世紀の今、我々が頭を抱えて思い悩んでいるいくつかのマーケティング・テーマについて、すでにこの時代(1990年代後半)に、ほとんどが問題提起されていた。
今を生きる、ヤング・マーケティング・スタッフには、すぐにでも読んで基本を知って実行してほしい書である。

12.顧客満足型マーケティングの構図

Management Partner Staff
清野裕司

知の好奇心⑥

「幸福」とは何かと問われて、即「こうだ」と答えるのは難しいであろう。
普段、何気なく見過ごしていたことや、やり過ごしていたこと。
身近なことから今一度見直してみることも必要な気がする。
Management Partner Staff 松島 良太
E-mail:matsushima@mapscom.co.jp

日本が目指す幸福は地域の中にある:枝廣順子

温故知新11

前世紀末から今世紀に入ってのマーケティングのテーマのひとつとして「ブランド論」がある。
私も大学で10年間ほど「ブランド創造論」を講じた。
マーケティングの分野で、ブランドに関する論議が盛んになるきっかけが、
D.アーカーの「ブランドエクイティ戦略」であろう。
「ブランド」を企業の資産としてとりあげることが、今や当たり前になってきている。

11.ブランドエクイティ戦略

 

 

 

Management Partner Staff 清野裕司

動きを知る:ハウス食品

今の時代環境変化を見る一つに、気になる企業の今を確認することがある。
今後もアプローチを続けるが、MAPSの松島良太(matsushima@mapscom.co.jp)が
自分自身が気になる企業の動きについて、公開資料をベースにして、その「今」をまとめている。
今回は、彼も身近な「ハウス食品」を取り上げている。

変化に挑戦し続ける企業の動きを読んで貰いたい。また、これからも気になる企業や組織は逐次取り上げていく、と彼は言っています。

※掲出すべき資料に間違いがありました。言い訳ですが、いくつかの企業を同時
並行でアプローチしており、編集の折に間違えてしまいました。
申しわけありませ
んでした。
修正致しましたものを掲出致します。引き続き宜しくお願い申し上げます。


動きを識る:「ハウス食品」の現状を振り返る:2022年

※ご質問やご指摘がございましたなら、編者である松島良太本人にメールを頂くか、
あるいは、HPのご意見の欄からお寄せ下さい。

ビジネス徒然草-35

「講師」としての振る舞いは個人的な「芸」にも感じる。

複数の方々の講演が続いている、あるテーマについての研究会や情報発信の会で、時折、自分に与えられて持ち時間をオーバーして話しされる方がいる。2~3分ほどの延長であれば、ただその本人のちょっとしたタイムキーピングのミスとも考えられる。しかし、そうではないケースに出会うことがある。明らかに確信犯である。当初予定を、10分、15分と延長している。次に控える講演者の顔にも苛立ちの気が漂う。受講している方々も、何となく落ち着きがなくなってくる。

ほぼ20分ほど予定をオーバーして話し終え、おもむろに一言「これ以上聞きたい方は、『私の著書』をお読み下さい」と。自分の次の演者を簡潔に紹介して終わる。次の方が演台の前に立つまでの休憩時間は、当然短縮される。外部との連絡時間が取れなくなってしまう。今は減ったであろうが、喫煙者には辛い、休憩時間の短縮である。

そのような機会に同席をする際に私が思うことは「今日の講演者は素人だな」ということ。
プロを標榜するのであれば、その話の内容よりも、細やかな振る舞いに目が行ってしまう。聞いている側も、限られた時間のなかで、難しい理論の解説を聴こうとは思っていないであろうし、一つ二つ、日常の会話の中で自分でも使いやすい言葉やキーフレーズが大きなお土産になるのではないだろうか。

セミナーや講演会のテーマも、時々で注目されるものは異なる。流行物のようなものである。「ポストコロナの社会を読む」「ITを生かした経営」「DXの活かし方。その事例」「2025年の東京を夢想する」・・・といったようなことが、2022年の中心的なテーマであろうか。
そもそも私は、講演や研修会の講師の立場は、落語家や芸人の演じることと同質だと思っている。落語の聞き手からすれば、一つ一つの話の大まかなストーリーは、たとえ知っていたとしても、すべてを知っているわけではない。同じ話を違う落語家から聞くと、全く違う話を聞いているような錯覚に陥ることがある。

今までに自分自身が講義や講演を通して、講師を担当する際に強く意識していることを10のポイントに整理をしている。以前も掲出したことはあるのだが、改めて「ビジネス徒然草」で取り上げてみた。

講師十訓

Management Partner Staff
清野 裕司

 

旬刊独白‐58

「Skill-Sense-Style」のバランスを身に付けているか。

学びの場として、社会人対象の大学院が注目されている。夜間に就業後、自らのキャリア・アップを図るべく、新しい知見を求めて学習の場へと参加する。今までに知らなかったこと、知っていたが忘れてしまったこと。かつては拒絶反応を示していた分野も、時を超えて改めて接すると、従来にはない鮮度感覚で吸収できることもあるものである。まさに、学生時代には何事かを「習う」姿勢でしかなかった者が、自らの発見に繋がる「学ぶ」ことの楽しさを、社会人になって実感する時ではないかと推測する。

何よりも、新たな分野での自らの発見があるのは、自分自身の考え方やものの見方を広いものにする。楽しさも広がるもの。「習う」のは、比較的あることに対する方法論の修得に止まってしまい、Skill(技法・技能)を身に付けることに終始してしまうもの。Skillは一度やり方を理解すれば、後は繰り返しての訓練によって深まる可能性があるが、ビジネスはそれだけに止まるものではない。

必要なことは、モノを見る眼・考える視点の広がりにある。専門性はベースにはなるが、狭い領域に閉じこもったのでは発見が乏しくなってしまう。Skillを超えたSense(感覚・認識)の深まりが求められよう。さまざまなモノや人との出逢いがSense向上の糸口になる。視野を広めるとは昔から言われたことでもある。

更には、SkillやSenseを基軸として、自分なりのビジネスStyle(様式・型)をつくりだすことが出来るかどうかが必要である。何となく雰囲気を感じさせるビジネス個性とも言えるのではないか。その人らしさを感じさせるものが、身に付くかどうかということである。

従来のビジネス分野での学習・研修の場は、どちらかと言えばSkill獲得を目的としたものが主流を占めていた。しかし今、マーケティング・スタッフに求められているのは、画一的・定式的な方法論を知っていることではなく、知識を超えた見識である。

だからこそ、Skill-Sense-Styleの3Sバランスが必須になることを忘れてはならない。

Management Partner Staff
清野裕司

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